本ブログは私たち家族の佐賀移住を計画段階から公開し、その苦楽や顛末などをお伝えしていこうという取り組みである。

ISSUE INTERVIEW(移住インタビュー) CASE.001 私 その3

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私は東京生まれ東京育ち。約40才。システムエンジニア
現在、妻と子供と福岡に住んでいる。
すでに現職の退職が決定しており、有田移住(佐賀県有田町への移住)を本格検討しているプレ地方移住者である。

 

今回の記事はISSUE INTERVIEW(移住インタビュー) CASE.001 私 その3である。

本インタビューの主旨についてはすでに以前の記事で説明しているので詳細はそちらをご参照頂きたい。簡単に説明すると移住者へのインタビュー記事なのだが、深い事情により取材する側もされる側も私という1人対談記事となっている。

1人でやっているという点以外はかなり真面目に、ありのままの想いを伝えているので、移住検討者にはそれなりに価値ある情報となっているはずだ。

 

さて、本インタビューではこれまでM氏(私)の経歴や、M氏(私)の思う福岡移住のメリデメなどをお送りしてきた。今回はいよいよ移住先移住動機など、本インタビューで当初より聞きたかった本題に迫っていきたい。

また、これまで本ブログに記載されたものの、しっかりと詳細が説明されないままとなっていたいくつかの伏線もしっかりと回収していきたい。

 

それでは、狂気の1人対談、第3弾をお送りしよう。

 

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M氏 福岡市内海岸にて -強い風が煩わしそうであるが、外でも懸命にろくろを回す。-

 

台風19号が近づく8月の中頃、氏に呼び出されたのは何故か海風吹きすさぶ今津湾に面する海岸であった。荒れる波、強い風。氏の無造作ヘアーは海中でたゆたうモズクのごとく、生き生きとうごめいていた。ひどくインタビューに向かない環境で3回目のインタビューは開始した。

 

記者(私):お久しぶりです。本日はよろしくお願いいたします。

M氏(私):よろしくお願いします。

記者(私):このインタビューも今回で3回目ですね。当初は狂気の沙汰と感じていた1人インタビューもすっかり慣れてしまいました。もはや何の違和感も感じません。

M氏(私):そうですね。

記者(私):これまでのインタビューでは、氏の経歴福岡移住のメリデメなどについて伺ってきました。これは言い換えると氏の過去現在を伺ってきたとも言えます。そしてこれからは、いよいよ佐賀移住の動機や決断の過程そして今後の展望など、いわば未来について伺っていきたいと思っています。

M氏(私):未来ですか。

 

移住先は『佐賀県有田町』

有田は自然も文化もある”のびしろ”のある町

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M氏 福岡市内海岸にて -懸命にろくろを回すもどうも今日はしっくりこない。-

 

記者(私):まず移住先ですが、これまでの記事でも言及されている通り奥様のご実家のある佐賀県有田町をご検討されているということでよろしいでしょうか?

M氏(私):はい。その通りです。

記者(私):有田を移住先に選ばれたのは奥様のご実家があるからだと思うのですが、M氏自身は抵抗はないのでしょうか?東京生まれ東京育ち。現在は福岡に住まわれていますが、これまで都市にしか住んだことがありませんよね。前回のインタビューでは福岡には多様性が無いとも嘆いていましたし。佐賀県有田町なんてもっと多様性がないでしょう?

M氏(私):佐賀県有田町の人口規模は2万人程度。多様化などしようがありません。有田移住を決めた時点でそこは諦めています。むしろ初めての田舎暮らしという点がエキサイティングだし、有田の文化やアイデンティティに興味があります福岡は都市でも田舎でもない中途半端なところが苦手なんです。田舎のような自然や文化がある訳でもない、かといって東京のような多様性があるわけでもない。福岡は中途半端で薄っぺらい 住みやすいだけの地方都市です。

記者(私):いや言い過ぎだろ!!突然どうしました!?福岡の人に怒られますよ!?

M氏(私):そうですね。帰宅途中「にわかせんぺい」のお面を被った数名の博多っ子に囲まれ「博多っ子にあらずんば人にあらず」などと言いながら熱い豚骨スープをパシャパシャかけられるかもしれませんよね。

記者(私):そんなことしねーよ!博多っ子は!謝れ!!

M氏(私):ごめんなさい。。言い過ぎました。あくまで個人の感想です。

記者(私):では氏にとって佐賀県有田町は文化があってエキサイティングな町だと感じたわけですね。

M氏(私):はい。妻と付き合い始めた10年ほど前から有田へは度々足を運んでいます。ご存知の通り有田は古くから陶磁器を作っている町です。そのためかいわゆる田舎とは違うクリエイティブな風が吹いているように感じます。

記者(私):クリエイティブな風ですか。

M氏(私):有田は有名な陶磁器はもちろんですが、歴史的な建築や路地など町並みも素敵で、味わいと文化を感じさせます。また谷に作られている商店街のため、水路や暗渠等も多く、地形的な面白さもあります。長い商店街は緩やかなカーブを描いているのですが恐らく川の上に商店街を作ったのだと思います。

また、町の西部には田園や棚田などいわゆる牧歌的な田舎の風景が広がります。

有田は自然もあるし文化的な風も吹く、とても面白い町だと私は思っています。その点はとても気にいっています。

記者(私):なるほど。一般的な田舎の風景に加え、陶磁器や歴史的な町並み。佐賀県有田町は自然もあるし文化もある町なんですね。知りませんでした。

M氏(私):私も行くまではまったく知りませんでした。有田焼は知ってたけど、そもそも有田が佐賀県にあることも知らなかった。

記者(私):その辺まったく東京の人にアピール出来てませんよね。正直九州旅行するとき佐賀って検討に入らない。

M氏(私):そうなんですよ。福岡なんて東京にある上位20%のもの持ってきてるだけなのに人気あるじゃないですか。

記者(私):福岡ディスんのはもうやめとけや!!

M氏(私):すいません。。。逆に言うと、佐賀や有田は”のびしろ”があるぞと。

記者(私):なるほど。確かにそれは”のびしろ”とも言えますね。

佐賀県有田町には奥様のご実家もあるし、自然もあるし文化もある、のびしろのある町。M氏も結構気に入っている町ということですね。なによりです。

 

 

きっかけは『奥様の入院』と『東京転勤打診』

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M氏 福岡市内海岸にて -ええい!今日はもうやめだ。こんな環境じゃ いいろくろは回せねえ。-

 

記者(私):次に移住の動機や理由について伺いたいのですが。まずきっかけはあったのでしょうか?

M氏(私):きっかけは大きく2つあります。1つは妻の入院。もう1つ会社からの東京転勤打診です。

記者(私):奥様が入院されたのですか!?

M氏(私):はい。昨年の丁度今頃でした。妻が肝臓を患って入院したんです。原因は風邪のウイルスが肝臓に入りこんだためらしいんですが。よほど免疫が低下していないとそういうことにはならないらしいんです。

一週間ほどで退院したのですが、その後もしばらくだるそうでした。そもそも誰でもかかるような弱い風のウィルスで肝臓を患ってしまうほどに免疫が低下している理由が分からなかった。それで妻と話した結果。これは仕事や生活のストレスが原因だろうという結論になりました。

記者(私):奥様は何か大きなストレスを抱えていたんですか?

M氏(私):妻は福岡にきて以来リモートワークで1人で働いていて、近隣に友人もいないという環境でかなりストレスが溜まっていたみたいです。

もともと人とコミュニケーションをとるのが好きな性格なので、在宅の仕事は向いていなかったのかもしれません。会話するのは私か3歳の娘。当時私も仕事が忙しく妻とゆっくり会話する時間はありませんでした。

また、これまで何度か話している通り、福岡という土地が私たちに合っていなかったというところもあります。

そういったストレスが少しづつ溜まっていたのだと思います。

記者(私):なるほど。それで有田移住となった訳ですね。

M氏(私):はい。妻の入院中、一時的にシングルファザー状態だったのですが、それは私にとっても娘にとってもとてもしんどいものでした。妻がストレスを感じずに健康でいることは家族にとって最優先すべき事だと思いました。

「そのためなら佐賀移住、有田移住という選択もあり得る」という風に考えるようになりました。丁度福岡にきて3年以上経過していましたし、そろそろ会社から東京転勤を打診される可能性もありました。佐賀県移住するならこのタイミングで検討しようということになったんです。

記者(私):なるほど。それで佐賀移住計画が始まったのですね。

M氏(私):はい。でも、実際はあまり具体的な行動は起こしていませんでした。インターネットで佐賀県有田町の家や仕事を調べる程度。いつか出来たらいいなという感じで切羽詰まってはいませんでしたし。計画が始まっただけで妻は体調が回復してきましたし、なにしろ福岡は住みやすいですから

記者(私):なるほど。そこで2つ目のきっかけですね。

M氏(私):はい。そんな中、会社から東京転勤を打診されたんです。

記者(私):時期はいつ頃だったんですか?

M氏(私):打診されたのは今年の4月頃。そして10月にも東京に来て欲しいと。

記者(私):結構猶予ありますね。ホワイト企業

M氏(私):はい。それで妻に相談して1ヶ月ほど悩んだ結果。出した答えが『会社を辞めて佐賀県有田移住』でした。

記者(私):なるほど。奥様の入院で最初の移住動機が出来て。そんな中、会社から東京転勤を打診されたんですね。転勤打診はタイミング的にもまるで「佐賀移住せよ。」という天啓のようですね。

M氏(私):確かに今思うとそうですね。

記者(私): とはいえ佐賀移住というのはやはり大きな決断ですよね。1ヶ月悩んだということですが、具体的にどのような悩みを感じたのか?そしてどうやってその悩みを乗り越えて佐賀移住を決断したのか?そのあたりを伺って行きたいです。

しかし残念ながら、お時間が来てしまいましたので、そちらについては、また次回とさせて頂きます。

本日はありがとうございました。

M氏(私):ありがとうございました。

 

 

今回のインタビューでは、氏の移住先、移住動機について伺うことができた。
次回は、いよいよ佐賀移住の決心にいたる経緯など、葛藤や悩みそれを乗り越えた過程などに迫りたい。狂気の対談第4弾をご期待いただきたい。

 

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