本ブログは私たち家族の佐賀移住を計画段階から公開し、その苦楽や顛末などをお伝えしていこうという取り組みである。

【M氏の微熱教室2019】奇跡の佐賀移住ドキュメンタリー 第3部『移住バブルを超えろ』

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写真の人物はイメージです。筆者ではございません。

 

私は東京生まれ東京育ち。約40歳。
本年3月末に会社を辞め、同4月、妻の地元でもある陶磁器(有田焼)で有名な佐賀県有田町へ家族3人で地方移住をして来た佐賀移住したてほやほやの新米地方移住者である。

 

そんな私に、現在、想定を超える出来事が起きている!!

先の記事でもお伝えした通り、求職活動などしておらず大した情報発信もしていないのに、移住先の地域の方々からお仕事の依頼を頂いたり県から取材を受けたりしたのだ!!

それだけではない!!

来る7月6日には東京で行われる「佐賀の移住相談会イベント」に、なんと私たちがゲストスピーカーとして登壇することになったのだ!!

 一体私の身に何が起きているのだ!?

極めて平凡な私に本来起こるはずのない異常事態である!!  

私はこの異常事態について、分析、考察、思惟、思考、瞑想、妄想を繰り返した結果、ある仮説を導き出すに至った。

それが『移住バブル仮説』『田舎のLAN(ローカルエリアネットワーク)最新鋭の情報通信技術超えてる説』である。

 

これまで本ブログでは【M氏の微熱教室2019】と題し、2回に渡って上記説を説明してきた。

第1回目では『移住バブル仮説』を提唱し、この異常事態に1つの回答を示して見せた。 

また第2回目では『田舎のLAN』について解説を行い、移住バブルがどのように形成されたのか、そのバブル誕生の秘密について考察結果を示した。

2回に渡る講義の結論は、町の皆様方の期待が田舎の強力な情報網によって増幅され、私という移住者に対する期待値、即ち「移住バブル」が膨み過ぎてしまったというものだった。

しかし断言しよう!平凡極まりない私が、この膨らんだバブルに応えられるほどの実力を持ち合わせていないことは明らかである!

そこで、最終回となる今回は現在筆者にとって最も重大な問題となっている次の問題について考えていきたい。

それは、私はこれからどうするのか!?一体このバブルどう収集つけるのか!?

と、いうことだ。

 

1回目の講義ではこの状況を『立ち寄った村で勘違いされて歓迎されるニセ勇者一行』に例えた。

今更、私が勇者ではないこと。『ギガスラッシュ』はおろか、まだ『ベギラマ』すら覚えていないなど口が裂けても言えんのだ!! 

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このバブルがはじければ、歓迎は一転、恐ろしい糾弾に代わることだろう。。

 

全3回に渡ってお送りする知的冒険ドキュメンタリー講義『M氏の微熱教室』。最終回となる今回のテーマは『移住バブルを超える』と題し、私の今後について考えていきたい。

なお、この問題は私だけの問題ではないとを再度申し添えたい。この問題は、これから地方移住をする人の身にも起こる可能性が非常に高いのだ。この原因を明らかにし、その対抗策を見つけ出すことは、現在の私にとって切実な急務であると同時に、これから地方移住をしようとしている人たちにも有益な情報となることであろう。 

それでは、最後の講義を始めよう。

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写真の人物はイメージです。

 

一体私はどうしたらいいのか?

さて、それでは私はどうするべきなのか?

前提は、冒頭に記載した通りである。佐賀移住後、町の皆様方の期待から、私の「移住バブル」は膨らみ、現在このバブルの大きさと私の実力には大きな隔たりがあるのは明らか。地域の皆様方からいくつかのご依頼等も頂いているもののその対応を先延ばしにしている状況である。

この状況は上述した通り『立ち寄った村で歓迎されるニセ勇者一行』に似ている。

これまでの講義では、この状況について分析し、その状況に至る仮説を展開してきたが、それはむしろ余計に私を不安にさせる結果となった。私が知りたいのは、移住バブル形成の事実でも過程でもない。このバブルをどう切り抜けるのか?なのだから。

 

但し、この問題は重大であるが、それほど難解な問題ではない。何故ならこの問題、実は検討する選択肢が非常に少ないのだ。

このため、それぞれの選択肢の有効性を検討していけば、おのずと解決策は見つかるはずである。断じて見つかるはずだ!! 

それでは以下に、私が取り得るすべての選択肢を列挙し、その有効性を検討していこうではないか。 

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▼選択肢1.何もしない ⇒ 無理

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何の行動も起こさずに漫然とこのままバブルの上にに胡坐をかき続けるというのはどうだろう??

これは絶対に無理であることは明らかだ。先の勇者の例に例えれば、いつまでたっても魔物を退治に行かず、村人の歓迎を受け続けるということになる。それはさすがに無理があるだろう。いつかは魔物退治に行くことを急かされるだろうし、いつまでもいかないと怪しまれるだろう。先のばしにし続けることは出来ない。モラトリアムは終わるのだ!

 

▼選択肢2.逃げる ⇒ 無理

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漫然と胡坐をかき続けることが無理ならば、逃げるというのはどうだろうか??

魔物と戦っても地獄、戦わなくても地獄、これはもう逃げるしかない!

否!それも無理である。

私はこの短期間に2度も転居をするほど の経済力も体力も持ち合わせていない。引っ越しにはお金がかかるし、家探し、転出、転入、住所変更、保育園の入園手続きなどは死ぬほど面倒くさいことを体験済みだ。佐賀に移住してきて既に2ヶ月経過しているがまだ終わっていないタスクがあるほどである。あまつさえ転出したとして、また新たな土地で同じ問題に直面するだろう。堂々巡りである。逃げることは解決にならない。逃げるのは無理だ。 

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▼選択肢3.戦う ⇒ 結局これしかない

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では、覚悟を決めて魔物退治に向かうか??

そう!やはりどう考えてもこれしかないのだ。

しかし、私に魔物を倒せるだろうか?いや、選択肢が他にないのだから倒しに行くしかない。

 

大丈夫。かの有名なS.K氏だって、その経歴や学歴を偽りながらも、経営コンサルタントラジオパーソナリティ、タレントと幅広く活躍し、多くの人々から愛され全国ネットの報道番組コメンテーターまでやってのけたではないか。

佐賀県で町の人の期待に応えるくらい私にも出来るはず。。

いや!違う!!K氏のアレは経歴詐称だ!!

K氏はそもそも端正なルックスと圧倒的頭脳、説得力のある声色を持っていて、実際その話す内容も的を得たものであった。

そう!K氏は圧倒的な実力を持ちながらも、唯一経歴と学歴だけが足りなかったのだ!そして大衆はその話される内容よりも、どのような経歴を持った者が発言したかという点にしか注意を払わなかった!だから経歴を詐称したに過ぎない!!

K氏はもともと実力のある人だ!!

そもそもの実力のない私とK氏とでは、明らかにその前提が異なる!

私の場合は、経歴ではなく実力詐称が自然発生しているのだ!!いや!実力詐称って何さ!?初めて聞いたんだけど!!

実力詐称の上に、経歴まで詐称したら自身の首をさらにきつく締めるだけである。K氏の前例は私には当てはまらない。

詰んだ。これは詰んだ。

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いや落ち着け私!大丈夫だ!ひとまず落ち着こう。 

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ふむ。。やはり、ここは実力詐称をし通すしなかないだろう。。

 

 

何、案ずることはない。

大丈夫。案ずることはない。そもそもこれは、自分でこしらえたメッキではないし、バブルなどは元々存在しないものなのだ。こちらから発信していない過大広告によって、お仕事などのお話をいただけていることは事実だし、これは一時的なチャンスとも受け取れる。

結局、私には私に出来ることしか出来ないのだ。

自分の実力の範囲で出来ることに対しては、謙虚かつ堅実にしっかりやってていけばいいはずだ。多分。。

それに実力よりちょっと上と思っていることもチャレンジできるならば、チャレンジしてみようではないか。途中で経験値が溜まってベギラマくらいなら使えるように

最悪、私の実力詐称がばれたとしても、現在この国に実力詐称罪という罪は存在しないのだ!!

この国の法では私は裁けない!!フハハハハハ!!

 

 

実はもう1つ思い当たることがある

そしてもう1つ、実は私には最近になってこの状況に思い当たることがあるのだ。それは、これまで2ヵ月ほどここ佐賀県有田町に住み人と接する中で感じたことである。

それは、地域の人が私のことを気にかけてくれているように感じるということだ。

ひょっとすると実は「移住バブル」などは始めから存在せず、私はただ地域の人に助けてもらっているだけかもしれないのだ。

前回の記事でも紹介した「OSEKKAI(お節介)」である。

しかし、なんと心優しい OSEKKAI だろう。皆さんは私のプライドを傷つけないよう、私に期待をしているとみせかけて、支援、応援してくれようとしていることとなる。皆さんの親切心をバブルと受け取っていたとは、今更ながら自分が恥ずかしくなる思いである。

どうやら、私は自分が思っている以上に東京の利益主義が染み付いており、人の優しさに触れても、その存在にすら気づくことが出来ない人間になってしまったのかもしれない。それ故、私は自分に起きたこの身の程を超えた状況を「移住バブル」という、ひねくれた見方でしか解釈することが出来なかったのだ。

しかし、もしこれが地域の方の心優しいOSEKKAI だとしたら。これが利己的な期待などではなく、利他的な支援や応援なのだとしたら。こちらに2ヵ月ほど住み、複数の人と関わった後で改めて考えてみると、むしろその方が正しい様な気がするのだ。 

もちろん実際のところは分からない。問いただしたところで、彼らはきっと「いやいやあなたに期待しているのです。」「あなたのような人を待っていたのです。」と言うだろう。

 

これは、本当に期待なのかもしれないし、実は応援なのかもしれない。

だがそんなことはどうでもいい!!

そう!どちらにしても、私のやるべきことは変わらないのだ。

 

私の進むべき道

それが期待であれ、応援であれ、自分に出来ることでそれに報いるだけである。もちろん佐賀に移住して来た上で私にも思うところはいくつかあるし、期待されようが出来ないこともあるだろう。

しかし、出来ることは何かあるはずだ。

私のやりたくなくないこと、かつ、地域の期待なり支援などに応えられること、そして私に出来ること

その交点にあるものこそが、私が佐賀移住してこれからここでやるべきことなのだろう。 

何やらやる気が沸いてきた。サラリーマンの頃には感じていなかった感覚だ。逆に期待を超えてやろうではないか。という気にすらなってくる。

いずれにせよバブルは必ずいつかはじけ、はじけた後に残るのは「生身の人間」と「本当の実力」だけなのだ。自分のすべてをさらけ出し町や町の人と共に成長して行く。それが唯一の進むべき道だろう。

そして、この移住バブルがはじけた後からこそが「本当の移住」の始まりなのかもしれない。きっと。

 

 

最後に、3回に渡るこの講義の考察をまとめよう。

▼考察

1.地方移住すると、実力以上の依頼を受けることがある

2.それを可能にしているのが田舎の情報ネットワークとOSEKKAIである

3.そのような状況になった場合は、取り敢えずやってみるしかない

4.あなたが、その土地でやるべきことは、「あなたがやってもいいこと(やりたくなくないこと)」、「あなたに出来ること」、「その土地の期待」によって決定される

  

あなたがその土地でやるべきことがきっとあるはずだ。

あなたがその土地にいなくてはならない理由がきっと見つかるはずだ。

あなたが移住して来て本当によかったと感謝され、あなた自身も強くそう思う。そんな日がきっとくるはずだ。

 

これは、現時点の私から移住検討者に皆様へのエールの言葉であるとともに、私自身を鼓舞するための言葉でもある。

講義を聞いてくれてありがとう。

 

 

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