本ブログは私たち家族の佐賀移住を計画段階から公開し、その苦楽や顛末などをお伝えしていこうという取り組みである。

【M氏の微熱教室2019】奇跡の佐賀移住ドキュメンタリー 第2部『移住バブル誕生の秘密』

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画像はイメージです。写真の方々はフリー素材となります。誰?キレてるやん。

私は東京生まれ東京育ち。約40歳。
本年3月末に会社を辞め、4月に妻の地元、陶磁器「有田焼」で有名な佐賀県有田町へ家族3人で移住して来た、佐賀移住したてほやほやの新米地方移住者である。

 

そんな私に、現在、想定を超える事態が起きている!!

先の記事でもお伝えした通り、求職活動をしておらず、大した情報発信もしていないのに、移住先地域の方々から仕事のご依頼を頂いたり、県から取材を受けたりしたのだ!!

極めて平凡な人間である私に本来起こりえない異常事態!!

前回の記事では『移住バブル仮説』によって、この異常な状況の謎を解明してみせた。

 

しかし疑問は残る!『移住バブル仮説』が正しかったとして、「移住バブル」はどの様に形成されたのか!?

本来バブルが形成されるには、その種となる元情報、そのバブルが膨らむだけの潜在的期待(風船でいえば空気)そして、そのバブルを大きく膨らませるための仕組み(風船の空気入れ)が揃ってなくてはならない。

では、今回の地方移住バブル形成におけるバブルの種、空気、そして、空気入れとは何なのだろうか!?

全3回に渡ってお送りする知的冒険ドキュメンタリー講義。M氏の微熱教室。第2部となる今回は『移住バブル誕生の秘密』に迫る。

 

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画像はイメージです。写真の方々はフリー素材となります。いや、ほんと誰??めっちゃキレてるやん。

 

バブルの種

 

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バブルが形成されるには、まずその種となる元情報が必要だ。

今回、私の身に起きた移住バブルの例で言えばその種は「私が佐賀移住するという情報」だ。確かに、私は移住前段階(移住の約一年前)から自身の佐賀移住情報を本ブログとTwitterにて断続的に公開してきた。しかし、私が事前に公開していた自身についての情報は以下の通り非常に少ない。

 <私が自身について公開してた情報>※本ブログ、Twitterにて

・東京出身

・約40歳

・4歳児の父

・どこかの会社でシステムエンジニアをやっている

・移住予定地

こんな少ない情報がバブルの種になり得たのだろうか?

否!逆である。少ない情報は、むしろ移住バブルを膨らませる種としては優れていたに違いない。事細かにスキルレベルを記載していればバブルの膨らみ様がなかっただろう。しかし、わずかな情報しか公開していなかったため、逆に上限のないスキルを期待させる余地残す形となってしまった可能性がある。

 

バブルの空気

 バブルを膨らませるには、空気、つまり潜在的期待が必要である。

地方における移住者に対する潜在的期待とは何なのか?これは想像に難くない。現在、日本の地方には人手不足という慢性的な問題があるのだ。人手不足については今や日本全体の社会問題であり、今更私がここで言及するまでもないだろう。人口数万人規模の地方の町であればその状況はかなり深刻であろうことが想像できよう。特定の職種や技能を持った人間は町には1人もいないなんてこともざらにあるだろう。実際に私が移住したこの佐賀県有田町。焼き物屋さんは多いものの、IT系のスキルを持った人間は少なそうだ。このような背景から特定のスキルを持っていそうな移住者に対する潜在的期待値は高い状態にあったと考えられるだろう。

 

バブルの空気入れ

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慢性的な人手不足によりそもそもの潜在的期待値が高い状況にあったこと(バブルの空気の存在)、そんな中、移住者となる私の事前公開情報が少なく、上限不明のスキルレベルを匂わせててしまったこと(バブルの種の存在)。バブルの種とそれに注入するバブルの空気、移住前段階からこの2つの条件が揃っていたことは間違いなさそうだ。

しかしこれだけでは、バブル形成の過程を説明することは出来ない。上記はあくまで材料が存在したことを示しているに過ぎず、その後、移住バブルが膨らんだことへの説明にはならないのだ。

バブルを膨らませるには空気入れが必要だ。そしてこの空気入れのこそが、今回の移住バブル形成の大きな秘密を握っている。田舎には我々の想像を越える、バブルの種を本物のバブルにしてしまうとんでもない仕組みが存在したのだ。

それが本講義の趣旨となる以下仮説である。それでは展開していこう。

 

『田舎のLAN(ローカルエリアネットワーク)最新鋭の情報通信技術超えてる説』

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・田舎のLAN(ローカルエリアネットワーク)

LANとはローカルエリアネットワークを略したIT用語で、会社や学校、役場など閉じたネットワーク内で、パソコン等の通信デバイス同士が情報をやりとりするために利用するネットワークの総称である。

ローカルという言葉には、もともと「地方」や「田舎」という意味もある。ここでは、「田舎における人と人との情報のやりとり」のことをLANと呼び、1つの情報通信技術と見ていこう。

田舎の情報共有の仕組みを『田舎のLAN』というシステムとして再認識して観察をした時、私は驚愕せざるを得なかった。その巧妙さ、精緻さ、冗長性、などなど、複数の観点からみて、この情報伝達技術は最新鋭のデジタル情報通信技術をも遙かに超えるものであったからだ。

  

田舎のLANの具体的なすごさを観察していこう。

 

・通信媒体

通信媒体とは通信を行うために登場する通信機器のことだ。ITの世界であれば、情報を格納するサーバー。パソコン、スマホなどの通信デバイスルーター、ハブなどの通信を補助する接続機器などが該当する。

田舎のLANにおける通信機器は「デバイス」と「ハブ」のみである。

ここで「デバイス」とは「人」のことであり、「ハブ」とは人と人の情報交換が行われる「交流の場」例えば、地域の人が等しく利用する「スーパーなどの商業施設」や「飲み会の場」、「学校」「会社」「家族の食卓」などはもハブであると定義できる。

このようにデバイス(人)はハブ(場)を介して相互いに情報交換を行う。

 

通信プロトコル

プロトコルとは情報通信における通信規格、言語のことである。ITの世界では通信プロトコルという通信規格を順守して、デバイスや接続機器、アプリケーションが作成され、動作することで、広く人々が利用出来るネットワークシステムの構築が実現されている。

田舎のLANにおける通信プロトコルはもちろん「日本語」である。情報交換は100%会話によってなされるが、田舎においては方言や暗黙知などによって「暗号化」もなされているといっていいかもしれない。そしてこの自由度の高いプロトコルが利用されることにより、情報交換は非常に円滑に大容量に実施されるのだ。

 

・膨大な通信速度と通信容量

ITの世界では、通信速度と通信容量はほぼ同義だ。どれだけ早く情報交換できるかは、一度の通信でどれほどの情報量をやり取りが出来るかということと同じであるからだ。

田舎のLANにおける、通信速度、通信容量は膨大である。この理由はデバイス(人)の記憶領域の大きさ、高性能さ、プロトコル(日本語)の自由度にある。

買い物先で出会った奥様同士の立ち話を想像してみよう。かなり多くの容量の情報が一度にかなり自由に交換されているはずだ。また各デバイスは高機能AIを搭載しており、足りない情報の補完なども即時に実施される。例えば、「〇〇さん家の〇〇ちゃんが就職した。」という情報を受け取れば、その〇〇ちゃんがどういう学校に通っていたか、昔の彼氏、昔あった珍事、などの関連情報をすぐに記憶から引っ張り出すことができるだろう。情報受信、記憶照合、情報問い合わせを、会話自体を楽しみながらほぼタイムラグなくやってのけ、大容量の情報を交換を実現しているのだ。

  

・問い合わせ不要の双方向プッシュ通信

ITの世界での情報共有は基本的に特定の情報について問い合わせることによって、その結果を受け取るというものだ。WEBの情報通信などではリコメンド機能などでその人に適した情報が優先的に表示されるが、そこにもある種の偏りが生じている。

しかし、田舎のLANでは問い合わせなどは一切なしに、有益、無益関係なく様々な情報が一度に交換される。これは先の量ではなく情報の幅の広さに関わっている。自発的な問い合わせは不要で、求めなくても多くの情報がプッシュ型で提供されるこだ。同様に自身も相手に対し、有益無益を問わず情報を提供しておりここで双方向通信が確立されている。提供された情報は各デバイス(人)にプール(記憶)されるが、デバイスはプールした情報をいつでも必要な際に利用することが出来るのだ

再度、スーパーの奥様同士の情報交換を想像しよう。その会話は、子供の話から始まり、どこぞの誰かの話から、昨日のテレビの話まで、玉石混在、有象無象、様々な話があちらこちらに飛び、一見して関連性のない情報がやりとりされるのが見てとれるだろう。やはり、特質すべきは、この情報交換には問い合わせが不要という点だ。これにより積極的な情報収集の労力をかけずに、各デバイスが幅広い情報を入手することを助けている。

 

多重伝搬する通信システム

田舎のLANでは、各デバイスは、他のデバイスと情報交換を行った後、また別のハブ(場)で別のデバイスと同じ情報を交換する。スーパーで得た情報を夕食の場で家族に話すといった具合だ。ITの世界ではこれを多重伝搬と呼ぶが、実現には難解なプログラムを必要とする。

田舎のLANではこの多重伝搬は繰り返され、夕食での会話は夫の職場、子供の学校などでも共有され次から次へと伝搬していく。人口数万人規模の町であれば、その伝搬の過程で本当にその情報を必要としている人間につながるのは時間の問題であろう。

 

正確性も担保する通信システム

 さらにすごいのは、この通信テクノロジー情報の正確性をある程度担保出来るという点だ。多方向から積極的に多重伝播される情報は情報の改ざんや劣化がされにくい為のだ。

仮に田舎のLANで誰かが意図的に情報を改ざんしたとしよう。

各デバイス(人)は、情報の確からしさを担保するデータベース(正しい情報をもっている人や最新の、情報を持っている人)への通信経路を認識しており、必要であればここに自発的に問い合わせを行うことも出来る。もし、入手情報に齟齬や乖離が見られれば、問い合わせを行い、どこで情報が改ざんされたのか?を突き止めることも可能だろう。そうすると今度は逆に、あるデバイスが情報を改ざんしたという情報が、拡散されるリスクもある。このように田舎のLANは、多方向からの多重伝播テクノロジーにより、時間が経過することで情報の正確性が増し、最終的にはほぼ正しい情報に落ち着くというしたたかなテクノロジーを搭載している。また、そのテクノロジーは情報改ざんの抑止機能さえも併せ持っているのだ。 

 

・デバイスに搭載される高機能すぎるアプリケーションとAI

アプリケーションとは各デバイスに搭載さた情報を読みとって表示や再生したり、編集を助けたりするソフトウェアである。

また、昨今話題になっているAIなどは、単に情報を読み込んで表示や再生をするだけでなく、自身で学習し判断をする知能をもったアプリケーションと言えるだろう。

田舎のLANでいえばこれはまさに人の脳に該当する。しかし田舎の人の脳はそこいらのAIなどとは比較にならないほどに高性能だ。何度も例に挙げているスーパーでの奥様の会話に戻ろう。あるデバイスが「〇〇さん家の〇〇ちゃんが彼氏と別れた」という情報を受け取ったとしよう。そのデバイスはただちに自身の記憶域にプールした情報に問い合わせを行い、以前「△△さんとこの△△君も彼女がいない。しかも彼は役場に勤めている。」という情報を取り出すだろう。こうして、〇〇ちゃんと△△君の知らないところで、彼らの人生を大きく動かすかもしれない情報交換がなされるのだ。これほど瞬時に、かつ複数の情報を勘案して、情報をマッチングすることのできるAIはないだろう。そして、この能力を爆発的に高めるのが、田舎の多くのデバイスに標準搭載されているOSEKKAI(お節介)機能である

 

・標準搭載機能「OSEKKAI」

高機能AIによる記憶情報マッチング能力は、田舎の多くのデバイスに標準搭載されている「OSEKKAI(お節介)」機能によってさらに高められる。この「OSEKKAI」が働くことにより、情報伝達はより積極的に行われていくこととなる。上記の〇〇ちゃんと△△君の例もまさにOSEKKAIの賜である。また、今回の私の移住バブルの例をみても「IT系のスキルを持った移住者が来る」という情報と、「そういえば、あのお店の〇〇さんIT技術者を探していたな」という情報が、マッチングされた結果と推察できる。これは都市部のデバイスに標準搭載されている「KIZUKAI(気遣い)」機能とは真逆の機能である。仕事とプライベートが地理的にも精神的にも分断されている都市型デバイスは「KISUKAI」機能が標準搭載されているが、この機能は積極的な情報交換を控える傾向がある。近所の方に仕事のことを聞くのは失礼。職場の人にプライベートを聞くのは失礼という気遣いである。これに対し、「OSEKKAI」機能は積極的な情報交換を前提とする。わけても高性能なAIを搭載している「OSEKKAI」機能搭載デバイスであれば、これらの情報を元に、婚活マッチング、就活マッチングなどをかなりの精度で成功させることが出来るだろう。プライベートと仕事の距離が近い田舎ならではの機能だと言えるだろう。

 

・情報交換を円滑に進めるための未知の抗力CBIフィールド仮説

何故、田舎のデバイスではKIZUKAIよりもOSEKKAIが標準搭載されているのか?

これはについては、田舎には情報交換をより得円滑に行うための理想的な環境、インフラともいえる、未知の抗力CBIフィールドが存在するという仮説を紹介しよう。

CBIフィールドとはCommunication Barrier Invalidate Fieldの略であり、先ほど私が勝手に考えた言葉である。直訳すると「コミュ障無効化地帯」といったところだろうか??どのような原理かは全く分からない。全く分からないのだが、田舎では、コミュ障を無効化またはかなり軽減する磁場のようなものが働いているのではないかとする仮説だ。なぜそんなことが言えるのか?それは私自身がそれ体験したためである。

これまで東京、福岡に住んで、40年弱。私はコミュニケーション能力の著しく低い人間であると自身を評価していたし、実際にそうであったと感じている。

しかしながら、ここ佐賀県有田町に移住してきて約1ヶ月、人と関わるシーンが非常に増えたのだ。道を歩けば気さくに人に話しかけられる環境に置かれ、いつの間にか私自身も気軽に人に話しかけたり、初めて入る店の店主と長時間話し込んだりするようになったのだ。これまでの私では考えられない。

これは、その土地に存在する何かしらの磁場のようなものが、人の精神に影響し、心の壁を無効化していると」考えざるを得ないのだ。田舎ではこの特殊な抗力CBIフィールドにより、あらゆる気遣いや遠慮は軽減され、各デバイスのOSEKKAI機能が最大限発揮できる環境となっているのだ。

 

 

まとめると

非常に長い講義なったが以上を端的にまとめると、田舎のLANの技術は、とにかくすごい!!ということに尽きる。

うん!とにかくすごい!!

 

その通信プロトコル(日本語)は自由で膨大な情報のやりとりを可能としており、高機能デバイス(人)同士がハブ(スーパーなど)で出会えば、マッチングを同時に行いながら大容量かつ広範囲の情報の同時双方向交換を行っていく。そして、交換された情報は、他のハブでも同様に共有され、複雑に多重伝搬を進めていく。その情報伝搬は伝播過程で、必ず情報を求めるものに情報が到達する仕組みとなっているだけでなく、情報の正確性を担保し、さらには改ざんを抑止する装置としても働いている。加えて通信デバイスには積極的な情報交換を促す「OSEKKAI」機能まで標準搭載されており、これにより各デバイスは自発的、積極的かつそれを楽しみながら情報を発信を行う。このため、ほとんど情報収集コストをかけずに情報収集が実現できるという素晴らしい仕組みだ。CBIフィールドなるその土地の特殊磁場によってこの情報伝搬はさらに加速される。

もはや無双!!情報通信無双である!!

 

そう!この技術が「空気入れ」として働いたのだ。私の移住情報が、この通信システムの中で共有、多重伝搬される過程で、何かしらのバイアス(期待値等の影響)が働き『移住バブル』が形成されたと推察出来るのだ。

 以上が 移住バブル誕生の秘密 である。

 

  

精緻かつ複雑かつ巧妙な、情報伝搬テクノロジー。これは、脈々と受け継がれた、叡智と言えるのではないだろうか?

この技術こそ、現在のデジタル通信技術が目指す最終形態ではないかと関心するほどである。何かと話題の5G通信やAIあるが、田舎のLANはその何手も先をいっていると言えるだろう。 

こんなん5G よりもAIよりも全然すごい!!

美しい!!素晴らしいぞ!!田舎の情報伝達技術!!

  

 

 

 

 

だが、そんなことはどうでもいい!!

 

かなりの熱量で7000字超えという、ブログ記事としては異常なまでの長文を書いておきながら、いきなりハズキルーペ渡辺謙の如くキレ、根本否定をして見せたことに腰を抜かした方もいるだろう。

だが、よくよく考えてほしい!!

今私が頭を使って考えるべきは、移住バブル誕生の秘密ではない!!

私がこれからどうするかなのだ!!

 

前回の記事にも書いた通り、これはバブルであり、私の実際の実力とバブルの間には、天と地ほどのえげつない格差があるのだ! この事実が明らかになれば私はただではすまないだろう。

 

次回第3部では、一体この移住バブルにどう収集つけんのか?について皆さんと考えていきたい。

講義は怒濤の最終局面を迎える!!

イヤ本当どうしたらいいの!?

 

 

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