本ブログは私たち家族の佐賀移住を計画段階から公開し、その苦楽や顛末などをお伝えしていこうという取り組みである。

地方移住したシティボーイを襲った驚きの病名とは!?



f:id:bokusumi-saga:20191022230116j:image

突然だが、みなさんはアレルギーをお持ちだろうか?

 

私は20歳くらいの時にスギ花粉アレルギーを発症した。以来、毎年春先2月頃になると目がかゆくなり始め、4月頃には鼻呼吸が不可能となる。すると寝ている間も口呼吸になるため、口と喉がカラッカラのバリッバリになり、あまりのつらさに夜中目を覚まし、口と喉を水分で潤すためキッチンと寝室を往復する。それが数日も続くと今度は喉が炎症を起こす。寝不足による体力の衰えが限界となる5月頃になると、とうとう風邪をひく。そんなルーティンをかれこれ20年程かかさず続けている。

 

「春は好きなんだけど花粉がね。やっぱり一番すごしやすいのは秋だよね。」いつしかそれは私の口癖になっていた。

 しかし!だがしかし!!
皮肉なことに、この度私はその秋にすら裏切られることとなってしまったのだ!!

もはや私に安息の地はないのか!??
神よ!!なぜ試練をお与えになるのか!!

 

一体私の身に何が起きたのか??
順を追って説明しよう。

 

・素晴らしき田舎生活

f:id:bokusumi-saga:20191106214830j:plain

私は東京生まれ東京育ちの39歳、一児のお父さんである。生まれてから34年間を東京で過ごし、その後会社の転勤で5年ほど福岡に住んだ経験がある。そして今年の4月、仕事を辞め佐賀県有田町に移住して来た。地方移住者である。

4月からの6ヶ月は私にとって初めて田舎で過ごした6ヶ月だった。

田舎での生活は驚きと発見に満ちていた。初夏になると田園に水が張られカエルたちが大合唱を始める。その頃、夜に近所の小川に行けば、蛍がユラユラと優雅に舞っているのを見ることが出来た。早朝、川の近くを散歩するとカワセミを見ることもしばしばある。幼少期を東京で過ごした私にとって、歌や絵本、図鑑の中でしか触れたことのない世界が現実として目の前に広がっていた。この体験は私の心を少年に様にときめかせてくれた。そしてそれは今まさに多感な幼少期を送っている5歳の娘にもきっといい影響を与えていることだろう。このような環境で子供育てを出来ることに父親としても満足をしていた。移住する時は迷いもあったが、やっぱり移住してきてよかった。そう思った。

しかしそんな幸せな日々は長くは続かなかった。。

 


・忍び寄る魔の手

f:id:bokusumi-saga:20191022230044j:plain



9月になってもまだまだ暑い。そんなある日、私は娘と家の近所を歩いていた。初夏に植えられた田んぼの苗はすくすくと育っており、今や先端に緑色の実をつけていた。「あれがお米になるんだよ。」と娘に偉そうに教えたが、私も実物の成長過程を目の当たりにするのは初めてだった。カエルの大合唱にも慣れてきた時期となり、田園の上にはたくさんのトンボが飛んでいた。「やはり田舎はいい。」その景色を見ながら私はそう思っていた。
と、その時、私は目にほんの少しのかゆみを感じた。

あれ?と不思議には思ったものの、すぐにおさまったので特に気にすることもなかった。
しかし、これが悪夢の始まりだったのだ。

 

 

・徐々に蝕まれていく身体

f:id:bokusumi-saga:20191106214932j:plain

目にかゆみを感じたその数日後、今度はくしゃみが出始めた。これは一体?しかし、この感覚は私にとって体験したことのある感覚だった。いやでもまさか。
これも一過性のものであろうと、またも私はそれを気にせず放置した。

しかし、9月の終わり頃になると私のくしゃみはいよいよ悪化していた。
ひとたびくしゃみが始めると連続でくしゃみが出て止まらない。目の痒みはそれほどでもなくなっていたが、慢性的な倦怠感にも襲われるようになった。
これは、間違いない。

アレルギー症状だ。
だが、しかしなぜ?今は9月。私がアレルギーを持っているスギ花粉が飛ぶのは春先、早くとも2月頃である。
どう考えてもスギ花粉の季節ではない。

一体なにが原因なのか。

そこで花粉症のサイトを調べると衝撃の事実が明らかになる!!


・イネ花粉アレルギー

f:id:bokusumi-saga:20191106215229j:plain

イネは花粉を飛ばす。環境庁のサイトを見て私は驚愕した。これまで都市でしか生活したことのなかった私は、イネが花粉を飛ばすことを知らなかった。イネ花粉というもの自体も、イネ花粉にアレルギーがあるということすら知らなかったのだ。毎日食べているお米。まさか、その原料となるイネが花粉を飛ばすとは、そしてまさか自分がイネ花粉アレルギーだったとは。

 

・稲刈りの季節は地獄

f:id:bokusumi-saga:20191106215532j:plain

秋が深まるにつれ私の症状は悪化していった。その症状は主にくしゃみと倦怠感だ。スギ花粉ほどのパンチはない。しかし地味に辛い。頭は普段の七割くらいしか働かず、仕事も調子が出ない。一度くしゃみが出始めると十数回は繰り返す。

そして、もっとも辛いのは稲刈りの時期だった。

10月以降、多くの田んぼで、稲刈りが行われ始めた。すると、その作業の為に花粉が舞うのだろう、私の症状はさらに悪化した。

毎日続く倦怠感。一度出ると永遠に止まらないかと思われるくしゃみ。あと何日これが続くのか?このままでは、風邪をひく。

これまで、田園から遥か遠くにしか住んでこなかったシティボーイの私が田舎の洗礼を受けた形だった。

イネというものをこれほどまでに意識したのは初めてだった。自分がイネ花粉アレルギーであることなど、地方移住せず都市で生活していたら一生気づかなかったであろう。

私に出来るのはただ祈ることだけだった。

今まで農家の皆さんの苦労も知らずスーパーで買ったお米食べてきてすいません。もう米粒残さないので許してください。

 

・稲刈りが終わり大分楽になってきた

 

さて、現在の私はというと。

稲刈りが終わり大分楽になってきた。まだ鼻やくしゃみは少しでるものの、強い倦怠感や連続くしゃみもなくなった。

この後すべての稲が刈り取られれば症状は改善するだろう。

バンザーイ!!風邪もひかずに済んだー!

 

ノーマークだとダメージはでかい

しかしながら、このイネ花粉。完全にノーマークだったためショックとダメージは大きかった。

都市部にしか住んだことのない人が地方移住する場合、地方にはイネ花粉というモンスターが存在するということを覚えておいた方がいいだろう。

本当に地味につらいから。

 

Twitter